PCR検査や抗原検査キット、抗体検査キットなど新型コロナ禍において様々な聞きなれない検査方法が出てきました。
昔からある検査方法ではありますが、耳なじみのない方も多いと思います。
特に、PCR検査は100%確定にならないという事も言われ、どういうことなの?と思ってる方もいらっしゃるでしょう。
弊社でも抗原検査キットを扱い始めたこともあり、この感度・特異度について解説しようと思います。
■偽陽性・偽陰性 どうしておこるの?
まず、陽性となったが陽性ではなかった(偽陽性)、陰性だったが実は陽性だった(偽陰性)。なぜこのようなことが起こるのか整理しましょう。
まず、判定は特定の病気に対して行われます。
当然、病気には様々な症状があり、人によって抵抗力も違いますので症状が出る人と出ない人がいます。
つまり・・・
検査陽性>疾患のある人もいるがない人もいる
検査陰性>疾患のない人もいるがある人もいる
こういうことになります。病気の特徴を考えればわかる事ですが、様々な病気の入口の症状は、咳・鼻水・熱などかぶっていることが多いので、当然、決定的な症状がない限り病気は断定できません。特定の病気を疑って検査したけど、その病気に罹患していなければ、検査は特定の病気のみをあぶりだす目的で使われますから、陰性になるわけです。
逆のケースとして、疾患はないけど罹患していれば、検査キットを使えば陽性になります。
まとめると、
・真陽性=疾患あり、検査陽性
・偽陽性=疾患なし、検査陽性
・偽陰性=疾患あり、検査陰性
・真陰性=疾患なし、検査陰性
となります。言葉のイメージと内容が合わない方もいると思います。まずは陽性に、陰性に真偽が出ることを覚えてください。
■だから検査にも指標が必要になる
検査結果に真偽が出ることはご理解いただけたかと思います。どの世界もそうですが、判断基準というものを作らないと、いつまでたっても何もわからないということになります。
特にこのように検査結果が状況によって分けられる場合、指標は特に大切です。ここで出てくるのが感度と特異度です。検査キットが販売されるようになってよく聞かれるようになったこの二つについて学んでいきましょう。
・感度>疾患を持った人のうち、その所見がある人の割合
・特異度>疾患を持たない人で、その所見がない人の割合
少しわかりにくかったかと思いますが、先ほど出てきた陽性、陰性の真偽に置き換えてみましょう。真陽性は症状もあり、検査でも陽性でした。一方、偽陰性は症状はあるが検査は陰性でした。感度についてはこの症状がある方を集めて判断するものとなります。割合ですから、
真陽性者数/症状のある人全体数(真陽性者数+偽陰性者数)
で算出します。
一方、特異度は症状がない人を集めて判断します。つまり、偽陽性と真陰性を集めます。こちらも割合ですから
真陰性者数/症状のない人全体数(偽陽性者数+真陰性者数)
で算出します。
■感度が高い、特異度が高いというのは?
新型コロナウイルスの検査は感度が30~70%程度、特異度がほぼ100%といわれています。
これは判断に何を重要視しているかということにもつながります。具体的にはどういうことなのか、下記にまとめました。
感度が高い
・偽陰性(症状あり、検査対象の病気に該当しない)が少ない。
・疾患がある人を疾患ありと診断できるか
・検査結果陰性の時に威力を発揮し、除外診断に有用
・感度が高い検査=この検査が陰性であれば「その病気を持っている確率は非常に小さい」となる
・感度99%:患者さん100人を診察すれば、99人に所見がみられ(真陽性)、疾患があるのに所見がみられない人(偽陰性)は1人
特異度が高い
・偽陽性が少ない
・疾患がない人をきちんと健康と診断できるか
・検査結果陽性の時に威力を発揮し、確定診断に有用
・特異度が高い検査=この検査が陽性であれば「その病気を持っている確率は非常に高い」となる
・特異度99%:100人の健康な人を診察すると99人に所見がみられず(真陰性)、1人に所見がみられる(偽陽性)
いかがでしたでしょうか?
耳慣れない言葉が出てきましたので、解説を入れてみました。
弊社で取り扱いしているLifotronic社の抗原検査キットは感度96.38%、特異度99.38%です。Nタンパクをターゲットとしている為、スパイクタンパクの変質に関係なく罹患を判断します。
ぜひご検討ください。