徘徊性貯穀害虫を対象としたモニタリング用フェロモントラップ
トリオスは粉塵が入りにくい構造のため、食品工場・製粉工場・飼料工場・倉庫などにおける徘徊性貯穀害虫のモニタリングに適しています。
■ 「トリオス®」ってなに?
徘徊性貯穀害虫を対象にした汎用性の高いモニタリング用トラップです。昆虫の捕獲方法を従来のオイル方式から粘着方式にすることによって、操作性が向上し、トラップ本体のリユースが実現されました。さらに環境負荷を考慮して、自然分解性プラスチックを使用しています。
※トリオス®に使用できる誘引剤
・コクヌストモドキ用
・ヒラタコクヌストモドキ用 *
・コナナガシンクイ用
・ノコギリヒラタムシ用 **
・ヒメアカカツオブシムシ用 ***
・カクムネチビヒラタムシ(カクムネヒラタムシ)用
・コクゾウ用
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富士フレーバー社で合成した雌雄を誘引する集合フェロモン及びその類縁体を使用しています。
* ヒラタコクヌストモドキ用は、集合フェロモン類縁体を使用しています。
** ノコギリヒラタムシ用は、集合フェロモンと食物誘引物質を使用しています。
***雄を誘引する性フェロモンを使用しています。
トリオス®は7種の対象害虫の早期発見、発生源の特定、発生消長の調査などの機能を果たします。
さらに対象害虫の分布調査や害虫管理の判定にも有効です。
■安全性は?
トリオス®は、集及び性ルアー等(集合フェロモンの類縁体も含む。)、食ルアーから成り、殺虫成分を含んでいない安全性の高い製品です。
■使用方法は?
トラップは、壁面などに取り付けて下さい。
トラップは壁に沿って床に設置し、設置間隔は
5m~10mが理想的です。
但し、機械や製造ラインへの設置は成虫を誘引する可能性がありますので避けて下さい。
建物の出入口近辺の設置は、外部からの侵入を招きますので、出入口から
10m~20mほど離して設置して下さい。
交換周期は開封後、1ヶ月です。
■有効期限、保管条件は?
・有効期限は1年間です。有効期限内にご使用下さい。
・直射日光を避け、暗所室温条件下で保管して下さい。
・品質保持のため冷蔵庫や40℃を超えるような場所での保管は避けて下さい。
■製品構成・荷姿
トラップ本体セット>トラップ本体 50個/箱、ルアー* 50個(5シート)、粘着紙 50枚/箱
ルアーセット>ルアー* 50個(5シート)、粘着紙 50枚/箱
*ノコギリヒラタムシのみ2種類のルアーから成っています。
■ 「コクヌストモドキ」ってどんな虫?
学名 Tribolium castaneum
成虫は体長4mm~5mmで赤褐色をしています。
穀物、穀粉(小麦粉、米粉等)やその加工品、香辛料、ナッツ、菓子、インスタント食品、乾燥果実など様々な乾燥食品を食害します。
雌は一生のうちに500~1000個産卵します。
卵から約2ヶ月で成虫になり、その後200日以上生存します。
成虫の穿孔能力は強く、通常の食品包装では容易に侵入してしまいます。
■ 「ヒラタコクヌストモドキ」ってどんな虫?
学名 Tribolium confusum
成虫はコクヌストモドキに極めて類似しています。
コクヌストモドキは触角の先端3節が球状で太いのに対し、ヒラタコクヌストモドキでは先端に向かって段々太くなっています。
生活史・食性共にコクヌストモドキに類似しています。
ヒラタコクヌストモドキは乾燥や低温などの環境に対する耐性が強く、 生息範囲が広くなります。
■ 「コナナガシンクイ」ってどんな虫?
学名 Rhizopertha dominica
成虫は、体長2~3mmで、茶褐色から黒褐色をしています。
成虫、幼虫ともに、米や麦等の穀物を加害し、穀粉やその加工品、香辛料、ナッツ類、乾燥果実、乾燥肉・魚を食害します。雌は、一生のうちに300-500個産卵します。穀物の表面に卵を産み、孵化した幼虫は外部より食害し、穀物内で成虫まで生育します。卵から約1ヶ月で成虫になります。
■ 「ノコギリヒラタムシ」ってどんな虫?
学名 Oryzaephilus surinamensis
成虫は、体長2~3mmで黒褐色をしています。前胸背の両側にノコギリのような歯状突起があるのが特徴です。
イネ科穀物の胚芽を加害し、穀粉やその加工品である菓子類、チョコレート、乾燥果実など様々な乾燥食品を食害します。雌は、一生のうちに100~300個の卵を産みます。卵から約40日で成虫になり、1年以上生存します。
■ 「ヒメアカカツオブシムシ」ってどんな虫?
学名 Trogoderma granarium
成虫は体長1.8mm~3.5mm、黒茶褐色で薄茶色の横帯状の摸様があります。
雌成虫は雄成虫の約2倍の大きさです。雌雄共に飛ぶことが出来ません。
多化性ですが、低温や餌不足により休眠します。
穀類及びその加工品、野菜の種子、乾燥ペットフード、ゴム、皮など広い食性を持っています。
この虫は、植物検疫措置に関する国際基準で指定されている唯一の貯穀害虫です。
そのため、日本産精米の対中輸出検疫条件の検疫対象害虫(他に、カザリマダラカツオブシムシ、ヒメマダラカツオブシムシ)に指定されています。
精米工場及びそれに付属する玄米貯蔵庫においてトラップ調査を行う場合は、現在、中国当局の承認待ちであり、本用途ではご利用できませんのでご注意下さい。
■ 「カクムネチビヒラタムシ(カクムネヒラタムシ)」ってどんな虫?
学名 Cryptolestes pusillus
成虫は、体長1.5~2mmで赤褐色をしています。体は非常に扁平で長い触角を持ちます。
本種は、穀類およびその加工品、油糧種子、乾燥野菜の重要害虫です。熱帯地域では、ナッツ、ココア、コプラ(ココナッツを乾燥したもの)、キャッサバなども食害します。もともと野外では朽木の樹皮下に生息し、カビを食べていたので、穀類の胚芽に生えるカビも食べることができます。
雌は、一生のうちに170~220個の卵を産みます。30℃条件下での卵から成虫羽化までの日数は約25日で、成虫寿命はおよそ150日です。日本では、山形県以南に分布しているとされています。
■ 「コクゾウ」ってどんな虫?
学名 Sitophilus zeamais
成虫は、体長2.5~4mmで、茶褐色から黒褐色をしています。象鼻状の口吻をもつのが特徴です。本種は、穀物類の健全粒を食害し、特に米、小麦、大麦やトウモロコシでよくみられます。
雌成虫は、150個以上産卵します。産卵する際、雌は口吻で穀物に小さな穴をあけて1個ずつ産卵し、分泌物で栓をします。幼虫は穀類の内部を摂食し、穀物内で成虫まで生育します。
コクゾウルアーの詳細情報については↓の技術資料をご覧ください。